銃のガタとショックとメンテ


 
長年愛用しているミロクのハイリブが今年の8月に突然バイブレーションを伴うようなショックが出始めた。
初めはトップリブの差し込み中空部が緩んで響いているのかと思って、いつものようにアロンアルファーを流し込みリブのビビリを無くして使用してみたけれども体感のショックは変わることはありませんでした。
ちょうど何かの限界点を越えたかのように、いきなり銃が響くようなバイブレーションが出始めたのです。

ミロクのハイリブは現在トップリブの緩みに関してはネジが組み込まれていて六角レンチで閉めこむと固定が出来るようになっているのですが私のモデルはその加工前の物ですのでいつもアロンアルファーで補修をしていました。

私の銃は発射推定6万発くらいの時に緩々になってしまい工場に送って修理してもらってから10万発くらい撃っています。しかしながら前回の修理の時に硬すぎて折れないくらいのメンテを行ったので、その後10万発使用しても銃を折った状態で逆さにしても微動だにしないくらいのコンディションは保っていました。

ところが銃を組む時に銃身をレシーバーにはめる段階ではまったくどこも当たっていないかのように緩く先台無しでは完全フリーの状態でした。
もしや横ガタが出ているのかと先台をはめない状態で銃身を左右に振って見ると案の定、カタカタ音がするではありませんか!

これか.......。

私は早速メーカーに送り状況を確認してもらいました。

1.メンテは可能か?
2.メンテ可能の場合はメッキをかけて修理できるのか?
3.メッキでは修理不能の場合は銃身を新規に作成すればメンテ可能なのか?
4.廃銃にするしかないのか?

メーカーの判断はメッキにて銃身とレシーバーの合わせの左右の隙間を充填すれば修理可能とのことでした。

通常ですと銃の寿命と言うことで入れ替えを検討するのですが、いったいどの位現状復帰するのかを確認したかったこともあり修理することに決めました。

私の銃の大まかな使用状況を整理して見ましょう。

新銃からおおよそ6万発撃った段階で銃を折った状態で前後に振ると銃身がブラブラするくらい緩くなる。
ミロク銃では通常ありえない減り方であり、お客様に売った銃ならばもはやクレーム物です。
当時は私が使っている銃でよかったと思ったものですが、よくよく考えれば据銃練習でおそらく10万回は開閉しているので撃つ撃たない関係無く16万発使用した状態ならば納得がいきます。

治ってきたコンディションは新銃以上の出来具合でした。
今でも、いったい何処をいじったのかまったく分からないですがそれは素晴らしい仕事でした。
その時点で銃身を組む時は緩かったので縦のツッパリを強烈に補修したのでしょう。

その後、おおよそ6万発実射し据銃練習はおそらく5万回くらいでしょうか?
累計を考えると6万発+10万回+6万発+5万回⇒27万回の開閉は行っていると思われます。

一般的に銃の寿命は銃身の寿命と考えられていますが、これはきっちりメンテをしてコンディションを保ちながら使用していることが前提になります。
銃身の寿命とは銃身自体が金属疲労を起こし膨らんでしまうことをさします。
確認したわけではありませんがゴムホースも高圧をかけるとゴムが膨らむように銃身も弾が銃身内を通過する時に一瞬膨らんでいて、またもとの太さに戻るのを繰り返していると考えています。
この事から膨らむ⇒縮むを繰り返しているうちに金属の粘りが無くなり膨らむのでは?と推測しています。

メーカーなどから詳しいデーターを聞いたわけではないので、あくまでも私個人の見解ですがおおよそ30万発〜35万発が限界値なのでは?と思います。

もちろんメーカーによって銃身の鋼材は違いますし、加工方法もミロクのように鉄棒を繰り抜く場合とベレッタのように熱間鍛造や冷間鍛造で整形される場合でも強度に違いが出ると思います。

メンテをきっちり行いながら使用すれば銃身の寿命まで使うことが出来るかもしれませんね。
ただし、すべての銃が30万発以上発射できるようにメンテできるわけではありません。
ミロクやベレッタ、などはメンテが可能でしょう。ペラッチは完全メンテは1回だけ行えます。(2回目以降は気休め)SKBはメーカーも国内ですしメーカーに送って対応してもらえると思います。

ただし中には銃として、言い方は悪いですがろくでもない物もあります。初めからガタガタの物もあり完全に使い捨てが前提で作られていると思うような銃もあります。
単純にピストルメーカーのブランド物であったり、マニア受けする様な黒いストックが付いているステンレス銃身のものであったり、銃として粗悪な商品に関してはこの限りではありません。

しかしながら、個人的見解としては15万発くらいで入れ替えたほうが良いでしょう。
選手で年間5万発以上も撃つ方は3年で入れ替えと考えると、いささかコスト的に合いませんが1万発ならば15年使用できます。
もちろん早めにメンテを行いコンディションの維持がしっかり出来ていれば20万発くらいまでは良好に使用できると思います。

ベレッタを例に考えると一般的な使い方をしている場合、5万発でロッキングの交換⇒8万発でサイドショルダーボタンの交換⇒10万発でロッキングの交換⇒12万発でサイドショルダーボタンの交換⇒15万発でロッキングの交換⇒16万発でサイドショルダーボタンの交換⇒「次のメンテ時期に銃の入れ替え」が妥当と思われます。

ベレッタは部品が減ることが前提でオーバーサイズのメンテ部品が4段階ありましたが最近はロッキングなどは、そのつど合わせるように最大サイズの物のみのようです。
もちろん682やDT10で耐久性は違うと思われますので上記のサイクルがすべて当てはまるはずも無いので参考までで留めてください。
メンテの時期は銃砲店にてコンディションを確認してもらうと良いでしょう。

本題に戻りまして私のミロクのお話です。
修理期間は約3週間でした。
今回は前回と違いメンテ箇所がハッキリ分かる状態でした。部品も1点交換をいたしまして、開閉も困難なくらいコンディションはよくなりました。

交換した部品は金属疲労によりクラックが入っていました。もう時間の問題で破損一歩手前の状態でした。
修理箇所は銃身側のスリーブの左右にメッキを施して先台金具の当たりを強化するために鏨で叩いた後がありました。

修理後早速、ニッコー栃木に実射に行きました。
まず試射してみてびっくりしました。まったくショックがありません。やはりガタがショックの原因と判明しました。
同じ銃でもコンディションの良い物と悪い物を撃ち比べれば誰でも体感できるでしょうが、自分で撃ち続けている銃ではそれも体感できません。

正直な話、初めてFNを使った時もそのショックの無さにびっくりしましたがミロクのハイリブを初めて使った時もかなり、そのショックの無さに驚いた記憶があります。しかし、ここ8年でMX8(新銃)⇒DT10(ノーマル新銃) ⇒DT10(カスタム銃身新銃)⇒SO5(ノーマル新銃)と撃ち比べてミロクはショックが強いと感じていました。

他社の銃が進化しているのかミロクのガタのせいか?と思っていましたが、どうやらガタのせいと判明しました。
体感ショック的にはマズルポート加工の分だけDT10よりショックは無いかもしれません。

今回修理をして見て言える事は「なんだか最近ショックが強い気がする⇒もう年かな?」なんて思っている方!一度オーバーホールをすることをお勧めします。
しかし銃の寿命と言うことも考えられますので、その時は思い切って新銃を購入することも視野に入れたほうが良いかもしれませんね。