FNブローニングデータベース
ベルギー製のFNブローニングにはAからDまでのグレードとサイドプレート仕様のE、Fがあります。FNは先台が分解時に外れないのが特徴で前にスライドして銃身をはずします。このFNブローニングの撃発機構がミロクに採用されています。各グレードの各モデルの彫刻画像を随時追加していきます。FNをお持ちの方!どんどん画像を添えてご自分のFN自慢をお送り下さい。このコーナーにて掲載いたします。画像のみでもOKです。     FN画像はこちらに送ってください

Dグレード
FNの最高峰とされているDシリーズ。スリーピース仕様も多く見られるFNファンにとって最後は手に入れたいと思う名銃中の名銃。高級銃の証である「雨だれ」や「涙」は当然のこと、このタイプから先台のチェッカリングのパターンが変わります。レシーバーよりの上部分がフルチェッカーになり一目でDシリーズであることがわかるように出来ています。
D5

スリーピース仕様:スリーピースとは写真の通り先台が上下で2分割されている特注モデルのことを言います。両側の上部分の先台は銃身に固定されていて合計3つのパーツから出来ているために3ピースと呼ばれています。
このモデルはFNの最高峰とされているD5です。D5には深堀彫刻タイプのD5G(Gとはジャーマンタイプの意味)とD5が有りD5は右の彫刻写真のように余白部分は渦巻き唐草(C3タイプ)の彫刻が施されています。D5にはいくつか彫刻パターンがあり私個人の確認が取れているだけでも5種類あります。
こちらはヤスリ飾りがついている珍しいタイプです。1961年製で彫刻パターンも基本図案とは多少違っています。昔のものほど職人の仕事は絶妙で、ばらしい傑作が多いのです。

D5G
D5の深堀彫刻タイプのD5Gです。日本国内の割合ではD5Gはトラップガンに多くD5はスキートガンに多く見られます。またこのグレードになると銃身との結合部には炭素焼きが施されています。このD5Gは比較的新しいものです。FNには必ず彫刻者のネームが彫ってあります。多くはレシーバーの下のほうにありますが、トリガーの横にあることもあります。また、Dグレードの銃番号は打刻ではなく手彫りで彫刻されていますので本物と偽者の区別はここで大体つきます。まれに錆びてしまったために削って打ち直してあるものもあります。トップレバー周辺はとても錆びやすいので注意が必要です。FNは鋼材のせいなのか意外と彫刻の中から錆が出ることが多いのです。新品にはジャーマンシルバー加工(コーティングみたいなもの)が施されていますが油断は禁物です。

D4



Dシリーズの中で唐草とハンティングシーンの両方の彫刻を取り入れた欲張りなモデルがD4です。イングリッシュスクロールのフレームの中にハンティングシーンが掘られていています。ハンティング彫刻はイタリア彫刻を思わせるような毛彫りで彫られておりまさに芸術品です。

D4G
D3
先台のチェッカリングも当然Dグレード仕様です。 彫刻パターンは一見C3のようですが中央の花の彫刻から放射状に唐草が広がっています。
こちらは、クラシックタイプです。トップレバーの下の形状も段差が付いていて銃番号も手彫りとなっていますまた銃番号の最後にS4と彫ってあることから1964年製ということがわかります。ちなみに1970年代はS70〜S76と打ってあります。(S77以降は見たことがありません。) こちらもクラシックタイプですのでサイドにヤスリ加工で飾りが付いています。
D2
こちらは投稿いただいたものです。1961年製のFN-D2と思われます。実際に初めてみるものでおそらくD2と思われます。投稿いただいた方はD1ではないか?との事ですが当店の社長がD2だな、といっていました。
炭素焼きの模様がしっかり残っていて非常にきれいですね。リペアーしていないのでしたらロッキングの状態から見てかなり程度がよいと思われます。トップレバー下やレシーバー面もストレートではなく飾り段がついていて昔の職人はいい仕事をしていますね。
希少な銃ですので大事に使ってください。
画像の投稿ありがとうございました。

Cグレード 
FNではちょうど中間に位置するミドルグレード。Cシリーズに最も多いのはC3と思われます。このタイプから元台には高級銃の証である「雨だれ」や「涙」と呼ばれる飾りが付き差別化を図っています。
C4
こちらは画像を投稿してもらったC4です。C4自体の彫刻を見るのは初めてです。かなりレアであることは間違いありません。画像を見る限り状態も良く大事に使用していることが良くわかります。投稿者の方からC4-1と言う型番だと説明がありました。一見、深堀彫刻のようですので浅彫り(毛彫り)のバージョン違いがありそうですね。
C3
C3は全面に細かい唐草彫刻が施されている人気のあるモデルです。上の写真はヤスリ加工により段差が付けられているレトロモデルです。古いものはこのような特別加工がされているものも多く、特注により人と違うものを使いたいというオーナーが製作依頼をしたと思われます。
左の写真が「雨だれ」や「涙」と呼ばれる飾りです。これが付いていると高級銃という意識は今でもあるようです。これはイギリスやドイツの影響が強いようです。
C2
C2は唐草とキジ、雷鳥(おそらく...)の彫刻が施されています。国内に出回っている数は少なくめったに見ることはありません。細かい唐草で彫刻の窓枠が掘られています。このような枠の掘り方をイングリッシュスクロールと言うそうです。
C2G
こちらは深堀彫刻のジャーマンタイプです。彫刻窓枠は唐草ではなくツタが彫りこま出ています。このタイプもC3に比べるとかなり数が少ないです

Bグレード
BシリーズはAシリーズに彫刻が入ったモデルです。クラシックモデルの特徴はトラップガンの場合レシーバーの下の部分が角ばっています。このタイプは1970年代のものが多いです。逆にスキートはこの角ばりがありません。FNブローニングの中でこのBシリーズの数が一番多いのでは?と思います。BシリーズのほとんどはB2もしくはB2Gです。これは正規代理店であるニッサンミロクがこの2つのモデルを基本ラインナップとして販売していたからと思います。B2やB2Gはみんなが持っているので違うものが欲しいという方がB0やB6を発注したのでしょ。FN社の古いカタログを見るとA、B、C、Dのシリーズに0から9までの彫刻ナンバー(欠番もある)があり当時はオーダーが可能だったようです。今でもできると思いますが最近FNはBerettaなどに押されて若い人に人気がなくなってきています。そのため新規で特別仕様を発注する方のほとんどはご年配の方です。今でも世界の名銃と言われているFNに恋焦がれているご年配の方は多いのです。
B6
見た目の程度も抜群のこの画像は投稿してもらったものです。B6は数が少なく国内でまず見ることはない型です。細かい唐草で統一されたイングリッシュスクロールが特徴です。
B2G
B2
Bシリーズで最も数が多く出回っていると思われる型です。その昔、射撃専用銃の代名詞だった頃FNは射撃をする人の憧れであり高嶺の花でした。1960年代ラーメンが一杯40円の頃、このB2でさえ40万円したのです。
B1
B0

Aグレード
AシリーズはFNブローニングのスタンダードモデルでレシーバーはガンブルーで染めてあります。すべてのグレードはこのモデルに彫刻を入れて製作されています。AとBに限ってレシーバー形状に違いがありトラップガンはレシーバーの下の部分が角ばっています。通常、丸身を帯びて作られている部分をわざと残し製作されています。スキートガンはC、Dクラスと同じく下の部分は丸みを帯びて作られています。この違いは古いモデルに多く、現在のモデルにはありません。FNブローニングやミロクなどの銃身は丸棒をくりぬいて製作されておりAとDの違いはこの段階で修正なしにまっすぐに出来上がったものを上位グレードに使用しています。実際の射撃にはまったく影響がないのですが見た目上、よいできの物を上位グレードに使用することで差別化を図っています。またC、Dグレードにはレシーバー内に炭素焼きを入れたりエンジンターンやヤスリで格子模様をなどを入れオイルが定着するような加工が細部にわたり施されていて特に通常見えない部分である機関部もすべてのパーツが磨いてあります。A、Bグレードにはこの様な加工はされておらず見た目の豪華さはありませんが基本性能や材質はまったく同じです。
A1
この画像は投稿してもらった物です。トップリブに継ぎ目があることやレシーバーが角ばっていることから年代はわかりませんが古いものと思われます。外見上の程度がよく大事に使われてきたことがわかります。通常長く使用しているとガンブルー仕上げの銃はよく触る部分がはげてきたり錆びてしまうのですがそのような感じもなくとても良いコンディションです。
追加で画像をいただきましてS4と刻印が入っていることから1964年製であることが判明しました。

こちらの画像も投稿いただきましたFNです。はっきり言いまして初めて見る型です。当店の社長も初めてだといっていました。刻印を見ると間違いなくベルギー製のファブリックナショナルですね。先台が外れる事やトリガーガードの飾りがないことから廉価版と言うことはわかりますがイジェクターの形状など全くFNブローニングとは違うものです。私の推測ですがもしかしたらFNブローニングではなくFNオリジナルの上下二連銃かもしれませんね。FNとFNブローニングはミロクとミロクブローニングの用に設計図面をブローニング社から貰い下請けとして銃を製造しているわけです。ですからブローニングが介入していない純血のFNかもしれませんね。

Mグレード
FNのサイドプレートモデルM1です。このモデルはイングリッシュスクロールの最高峰です。Perazziやパーディーもこのイングリッシュスクロールタイプがクラシックスタンダードとなっています。プレートの受けの段差はすべて人間の手作業によってヤスリで付けられます。国内にも数丁しかない貴重なモデルです。

Fグレード
こちらはM1の兄弟機種のF1です。M1がイングリッシュスクロールに対しこちらはハンティングシーン彫刻です。M1とF1をスキートガンとトラップガンでペアで所持するのはFNファンの永遠の憧れです。

アメリカ販売モデルPグレード
アメリカ輸出モデルとして製作されているのがPグレードです。
基本的にガンブルー仕上げで金象嵌と言うスタイルが特徴です。
通常のFNシリーズとの相違点は台木がウレタン仕上げになっていて先台がビーバーテール形状になっています。
また、木部はアメリカ胡桃材を使用しているので強烈にトラ目が出ていることが多いです。
すべてにおいてアメリカンテイストに仕上がっているのがPグレードです。
こちらのモデルはPK1と言うモデルです。
通常のグレードで言うとチェッカリングや雨だれが無いことからBグレードに相当するモデルと思われますが金象嵌ですので価格的にはCグレードに相当します。
国内にはPグレード自体の数が非常に少ないのでレアなモデルと言えます。
他にP3Sと言うグレードが有ります。こちらも近いうちにお客様から撮影させていただき公開したいと思います。