スキート種目

スキート種目はトラップ種目に続いて考案された競技種目です。これはアメリカンスキートがルールの基本となっています。現在ではオリンピックルールがどんどん改正されて始まった当初よりも、かなり難しくなっています。これはオリンピックやワールドカップなどの世界大会で150点満点が続出し試合の決着がつかないためにオリンピックが終わるたびにルールが改正されているからです。基本的な競技説明として皆さんまず時計の文字盤の3時から9時の半円を思い浮かべてください。スキートはこの半円を使って競技が行われます。
文字盤の9時の位置が1番射台で8時が2番、7時が3番と続いていき3時が7番射台です。そして時計の針の軸位置つまり円の中心が8番射台です。
スキートはこの1番から8番の射台に順番に立ちクレーを撃ち落す競技なのです。

この時クレーは常に一定方向に飛んでいきます。自分の立ち位置が変わるためにクレーの飛ぶ角度が変わってみえます。
クレーは右方向へ飛ぶ「プール」と左方向へ飛ぶ「マーク」の2種類です。1番射台から順番に撃っていくのですが、撃ち順にルールがありシングル(1枚)プール、シングルマークさらにダブル(2枚同時)などトラップ種目と比べて変化に富んでいて非常にゲーム性が高い競技種目です。

6人で順番に射台に入り撃って行きます。ココは4番射台で赤いベストを着ている人が審判です。外れると手に持っているラッパを鳴らします。

スキートは自動銃でも楽しめます。
発射直後で空薬莢が飛び出しているのがわかりますか?
この写真は7番射台の上のほうから撮影したスキート射面の全景です。右上の白い建物がプール放出機のハウスです。この真下が1番射台です。


スキート種目のルール
スキート種目は1番から8番までの射台を順に移動して行き一定方向に飛行しているクレーを撃ち落す競技です。

クレーは常に同じところを飛行していますが自分の立ち位置が変わることによってクレーの飛行角度が変わって見えるのが特徴です。
しかも変わるのは角度だけではなくクレーの狙い越し「リード」も射台ごとに変化していきます。

通常物理的に考えるとスキートの場合クレーの先約1.4mを撃つと当たることが分かっています。
常に1.4mを撃てば良いのですが自分の立ち位置が変わることによって飛行角度が変わり見た目の1.4m先の距離も変わってきます。
@真横から見たとき A45度くらいの角度 B70度くらいの角度
上の図のように@を基準にするとA、Bともに見た目の距離が小さくなっているのが分かると思います。
このように射台ごとに変わるリードを覚えることからスキート射撃は始まります。

さらにトラップと一番違う点はスキート種目はコールする時に銃は腰だめの位置にセットしクレーが放出されたと同時に構えると言う動作が加わることです。
この動作を「挙銃(きょじゅう)」と言いこの訓練を家でしっかり行いある程度こなせるようになって初めてスタートラインにたったことになる点です。

もちろん初めは構えた状態でコールをして練習していきますが射撃場ではなく家で構える練習をしっかりやることが上達への第一歩です。

スキートは各射台を1番から8番の順で回るのですが最大6人同時プレイとなります。
1人ずつ規定のクレーを撃って行き交代し6人目が終わると次の射台に全員で移動します。

スキートは放出されるクレーの枚数に合わせて弾を装てんします。ですから必要以上に弾を撃つことはありません。また1標的1発と言うルールですので1ラウンド25枚ですから25発使用することになります。

国内の大会では主に100個撃ちが採用されていて1ラウンド25枚撃ちを4回行い100点満点で競われますので使用する装弾も100発と言うことになります。

コールするとクレーが放出されることが前提なのですが、まれに放出されなかったり割れて放出されたりすることがあります。これを「ノーバード」もしくは「ノーターゲット」と言います。
この場合はクレーが適正に放出されるまで撃ち直しとなります。

国際ルールには「タイマー」と言う不確定要素が加わりコールからクレー放出まで0〜3秒間のラグが発生します。
この場合もクレーが放出されてから挙銃するルールが適法されますので難易度が急激に上がります。

もちろん初めは「コール⇒即クレー放出」と言う「ノータイマー」というルールで始めて行き、公式戦などに参加を決めたらタイマーに移行していくのが一般的です。

また左右同時に放出されるクレーを撃つ「ダブル」と呼ばれる物もあり1枚目を撃ったら切り返して
2枚目を撃ちます。

現行オリンピックルールの撃つ順番は下記のようになっております。

プール⇒左の放出機で左から右にクレーが飛ぶ

マーク⇒右の放出機で右から左にクレーが飛ぶ


1番 プール  プール⇒マーク(ダブル) 計3枚

2番 プール  プール⇒マーク(ダブル) 計3枚

3番 プール  プール⇒マーク(ダブル) 計3枚

4番 プール マーク  計2枚

5番 マーク  マーク⇒プール(ダブル) 計3枚

6番 マーク  マーク⇒プール(ダブル) 計3枚

7番 マーク⇒プール(ダブル) 計2枚

4番 プール⇒マーク(ダブル) マーク⇒プール(ダブル) 計4枚

8番 プール マーク 計2枚

合計25枚