| Lesson 8 右スイングと回転軸 基本のスイングの考えかた |
長い間、右スイングの項目を更新しておりませんでした。
これは日本語での表現が非常に難しく言葉で表した時に私が伝えたいイメージやニュアンスと違う伝わり方をしてしまう可能性が非常に高いからです。
射撃場で実射を伴い説明すれば10分位でちゃんと伝えることが出来るのですが言葉にするのは非常に危険をはらんでいるのです。
例えば、一般的に「クレーの出は飛ばしてから撃て」と教わることが多いと思いますがこれは完全に間違いです。
飛ばせば飛ばすだけクレーは遠くに行き自分で不利な状況を作り出しているだけです。
ここで問題なのは日本語での表現です。正しくは「クレーを飛ばせ」ではなく「飛んで行くクレーを目を止めた状態でしっかり見ろ(確認しろ)」なのです。
仮に飛ばすとしてどこまで飛ばすのか?と言う事になりますし、飛んでいくクレーを見てしまうと目が飛んでいる状態なので取りあえず線で見えたクレーがクレーとして捉えたところまで脊髄反射的に一気に銃が走り、クレーの到達するだろう予測地点やクレーを捉えた位置で必ず銃は止まります。
間違った解釈でも数を撃っていけばクレーの先を撃てば当たるのを発見しますので、そこを撃とうと意識するようになります。そうするとさらに銃は走り止まる悪循環となります。
右が当たらない人の原因の半分はこれです。この動きがスウェーを誘発し、残りの半分は縦の動き(ストレート)が正しく撃てていないのが原因です。
今回、書いたこの文章でちゃんと伝わるか非常に不安ではありますが多数の方からの要望で掲載することにいたしました。
そして過去に書いた物も、あくまでも初心者入門としての基礎トレーニングですのでベテラン選手の方は色々ご意見あるでしょうが当て方ではなく正しい基礎としての表現ですのでご理解ください。
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初めのうちは左スイングに比べて右スイングの方が難しいです。これは右利きの場合、左スイングは体がすぐに左に向きますが右スイングは頭を軸にしてブレずに回転でスイングするのは訓練なしには難しいからです。
このため初めのうちは左より右の方が当たらないと思います。
最終的には左スイングの方が難易度が高いのですが、ある程度 軸を保った右スイングが出来るようになるまでは20点を超えるのは右次第という結果が続くと思います。
下の写真は軸で回転しているかスウェーしているかで、どれだけ動きが大きくなっているかを視覚的に表しております。どちらの写真も隣の射台の放出マーカーまでスイングしています。
銃自体の角度がダイレクトに変わると振り幅が極端に少なくなります。コンパクトになる最大のメリットは照星の移動距離が少なくなるので同じ時間でクレーを捉えるとした場合スイングスピードは非常にゆっくりで良くなる点です。
スイングスピードがゆっくりになると言う事はクレーと照星の絡んでいる時間が長くなるので撃てば当たるチャンスが増える点です。
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スウェーしているスイングA |

正しいスイングA |

スウェーしているスイングB |

正しいスイングB |
撃てば当たる点を狙点と言いオリンピック選手はこの狙点を3~5個持っています。
これには条件があり「目が照星を追い越さない」「撃つ瞬間までスイングが減速していない」となります。
これらの条件をクリアーしていないと、どちらも銃が走って止まる原因になり狙点は1か所となります。所謂「点撃ち」とか「決め撃ち」とか言われる状態になりやすいです。
クレーよりも速いスピードで等速、若しくは加速しながらスイング出来れば最初の粗点はクレーの真後ろとなします。
大雑把に言うと「クレーの後ろ」「クレーズバリ」「クレーの一枚先」が狙点となり、その間で引き金を引けば当たる状態が確保されます。
「クレーと照星の高さ」に関する位置関係はベンドや頬骨の高さにより人それぞれなので一概に言えませんが、「どの位置で撃つ」に関しては下の画像1のようになります。
画像2は最高に調子の良い時の物で、その日の体調やクレーのセット、ロケーションによって今日はどこで撃つのが最も確実か?で撃ち分けたり、今日の調子だと②~④で撃つか!とかしているようです。
実際にそこまで撃ち分けが出来るかと言うと一般的には無理なので、せいぜい画像1で示した①~③までの間で引き金を引ければ御の字ですね。
しかし、殆どの人が画像3のような狙点だと思います。①若しくは②で撃つと当たる。これは発射時にスイングが減速しているか急ブレーキまたは止まっているのでかなり先を撃たないと当たらないからです。これが「点撃ち」とか「決め撃ち」と言われる撃ち方となります。
減速しながら撃っている場合は、その度合いにもよりますが「最大で止まって撃つ」となります。
この場合、後ろやズバリを撃っている間は物理的にクレーが割れることはありません。
極端にスイングが早い場合は急ブレーキがかかっても止まるのは撃った後なので先じゃなくても当たるかもしてません。
撃った後、最小でも銃身3~5本分くらいフォロースルーが出ていればギリギリ合格です。理想はスイングのスピードが変わらずフォローする―が出るとなります。
クレーに照星が追い付いた瞬間(画像1の①の位置)に撃って割れるのが最短距離でのクレー撃破となります。
これは反射神経の問題もありますがここで引くにはスイングが速いと無意識に照星を合わせに行くので必ずブレーキがかかります。そのブレーキがかかっている時間は修正距離の時間となり、この分クレーは遠ざかります。
追いついた瞬間発射が最短距離となります。
そのため速くスイングしても身体の能力的に引き金が引けないのならば近い距離でクレーを撃破していると思っているのは自分だけで実際には自分の能力を超えない(ブレーキがかからない)スピードでゆっくり振った方が近い距離で撃破できるようになります。
しかも照星にクレーが絡んでいる時間が長いので確実に割ることができます。
スイングが止まって撃っている場合も画像3のような狙点になりますがスウェーしている場合も画像3のような狙点になります。
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画像1

一般的な正しい狙点 |
画像2

オリンピック選手の狙点 |
画像3

殆どの人がこの狙点 |
※画像1や3は照星とクレーが重なるくらいの狙点で撃っている場合狙点です。(中間照星と照星がやや重なるくらい)
※画像2は照星の上にクレーを載せて撃つくらいの狙点の場合です。(照星と中間照星が雪だるま位) |
殆どのスポーツは重心と軸が大事と言われています。一般的に頭が動かない事が理想的でありクレー射撃の場合も例外ではなく頭が動かず回転でスイングする事がコンパクトなスイングにつながります。
殆どの人が右スイングはパッドを中心にスイングをしています。パッドを中心として左手が左肩と一緒に動き出しクレーを追いかけます。
この場合の動きが「スウェーしているスイングA」となります。
このスイングの場合、振出は意外とスムーズに出ますがすぐに動けなくなり振出は減速していき、更に振り込むには後ろに体重移動しながら肩を引きこんで、それでも振り込めなければ手で銃を差し込むようになります。
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スウェーしているスイングA |
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このようなスイングになる一番の原因はグリップをしっかり握りグリップを持っている方の手でパットを肩に引き付けている事が原因です。
間違った情報としてグリップをしっかり握り、先台は握らないように軽く持つというのがあります。
これは一般的に手撃ちにならないようにと言う訓練方法として広く伝わっています。しかしこれも「クレーを飛ばす」同様に間違った情報です。
もう20年以上前から私は「銃のコントロールは先台を持っている方の手で行うのだから先台はある程度しっかり持つ」と指導してきました。
これは「先台>グリップ」であればOKです。銃を保持する必要最低限の力加減でグリップよりも少しだけ先台の方を強く握りましょう。そして銃の肩への引付はグリップではなく先台を持っている方の手の割合が多くなければなりません。
殆どの人がグリップを握った手で銃を引き付けているので右手と右肩(パッド)が1つの塊となってしまい、このためパッドを中心とした左肩を押し出すスイングになってしまいます。
銃の保持(引付け)は先台を持っている手で行い、グリップ側の手はトリガーだけを引き全く干渉しないのが理想です。
この事に関してはイタリアナショナルチームコーチのミルコ氏も言っており、正しいことが確認されています。
銃の振出は「振る」のではなく「動き出す」と言った方がイメージとしては正しいです。力が入っていると「動き出す」ではなく「振り出す」になってしまいクレーの放出に素早く反応できず飛ばれる原因にもなり、また飛ばれると急発進の原因にもなります。
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では、正しい右スイングはどう行えばよいか?となりますが基本は「グリップ」または「顎の先端」を中心に回転するイメージとなります。
ここで重要なのが回転軸と重心位置が同じところにあるかどうかです。基礎訓練段階では基本的に軸はシングルピポットで右利きの場合、左足をそのまま軸にして回転する動きを覚えましょう。肩→腰→軸足首と連動して回転する感覚を覚えてしまえば、ダブルピポットで軸棒となる足のないところを回転軸にしても軸回転の動きは応用が利き自分で対応できるようになります。
また、殆どの人が頭の中心が右肩寄りに構えています。これもパッド中心のスイングになる原因となっています。
頭が右肩に寄ると頬付けはパッド寄りになり頬骨の上に銃床(ベンド)は乗らず懐が非常に狭いフォームとなります。
この状態では右を正しい軸回転で撃つことは、ほぼ無理です。
真後ろから見た場合、頭の中心は中央から左肩寄りで広い懐で構えるように心がけましょう。
訓練の仕方としては左肩と左顎の間にソフトボール等を挟んだまま構える練習となります。
左肩と顎の位置関係と距離を変えないように右肩を上げて左肩を若干下げる位のイメージで前傾姿勢(ブロッキング)をします。
頭が右肩寄りの場合、懐を広く構えることができずベンドの頬骨位置も後となりスウェーの動きでしか右スイングができなくなります。
概ね正しい形で構えることができるようになったら次はスイング練習です。
スイングの練習は足の裏に意識を集中して出来るだけゆっくり横に振りましょう。
クレーの軌道をイメージしてのスイング練習が全く無駄とは言いませんが、基本的にはスイングの軌道は横+縦なのでこの2軸制御が正しくできるようになるためにスウェーにより斜めに照星が移動することは出来るだけ避けなくてはなりません。
人間はどうしても楽な動きを無意識に選択してしまうので3軸目のスウェーの動きを体が覚えてしまい癖になると強制するのが非常に大変です。
初めから横と縦の動きだけを練習するのが一番無駄がありません。
横は水平方向に30cm程振って銃を下す。セットアップからやり直して横に振って銃を下す。これの繰り返しが最も効果的です。
この時のスイングスピードは30cmを8秒~10秒かけて行いましょう。(理想は30cm30秒ですが非常に難しいです)
また足の裏に意識を集中することにより軸がくるわなくなるので併せて行いましょう。
縦の動きは先台を持っている方の手の肩が上がらないように手だけで持ち上げます。
この動きの2軸同時制御が実射での右スイングとなります。
左右のクレーは基本的に横の動きからスタートしなければなりません。
感覚的には常にクレーの出だしは目を止めてよく見る。そしてクレーを発見したら目はそのままでクレーの飛行線の下に照星を振り出すことに全力で取り組みましょう。
コールをした後のノルマはクレーの飛行線の下に銃を振り照星を持っていくところまでです。
クレーのどこを撃てば当たるかは教わることではありません。これは人それぞれスイングスピードも反応も違うでしょうから一概には言えないのです。
しかしながら最高のスイングができたときはクレーのズバリ後ろから狙点が始まります。
目標とするのは同じ高さのストレートを撃った時と同じフォームで右も左もフィニッシュしていることです。
手で銃を持ち上げて、そのまま横に軸回転した形と右方向のクレーを撃った時の形が同じならばGOODです。
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