クレー射撃の競技説明

ここではクレー射撃の種目別競技説明をいたします


トラップ種目

トラップ種目はクレー射撃競技においてもっとも伝統のある種目です。クレー射撃はこのトラップを原点として各競技に発展していきました。はじめは日本国内でもアメリカントラップという競技が盛んで、後にオリンピックトラップに発展していきました。
アメリカンルールというのは扇形に配置された射台(1〜5番)を順に移動してクレーを撃つのですがオリンピックルールと違う点は3番射台の前に1台だけ横8の字に動く機械があって射手がコールしたときにどこへ飛ぶかわからない仕組みになっています。この場合クレー放出機が1つでよいので経費がかからず日本各地に普及しました。現在アメリカではこの競技が1番流行っています。もちろん賞金制で優勝するとゴルフ並みの賞金も当たり前です。このためアメリカではオリンピックルールはいまいち流行っておりません。
オリンピックトラップは1番から5番の射台を移動しながら(5周)25枚のクレーを撃つ競技です。射台の15m先から右、左、真中の3方向のいずれかにクレーが飛び出し撃ち落とす競技です。この飛び出す方向は乱数設定されて射手にはわからないようになっています。しかし各射台ごとに右2枚、左2枚、真中1枚計5枚と決まっていますので最後のほうは記憶のよい人ならどちらに出るかわかってしまいます。一般に各射撃レンジにはスコアーボードが設置してあり現在何枚まで進行しているか、また何点かということが一目でわかるようになっております。

ニッコー栃木総合射撃場のスコアボートです。満点は25点で縁がアタリ赤がハズレです。最高6人同時プレイですが、今回は5人での射撃でした。


トラップ種目のルール
トラップは射台から15m離れた放出口から飛び出すクレーを撃つ競技です。1標的2発まで発射することが出来ます。どちらでクレーが割れても1点とカウントされます。

トラップ種目は1番から5番までの四角く囲まれている場所を「射座」と言い、1番射座から5番射座までのゾーンを「射台」と言います。
また5番から1番に戻るときに歩く射台の後ろを「射手通路」と言い、ここでは必ず銃の薬室から装弾を脱砲することが義務付けられています。

5つ横に並んでいる射座を5週して25枚のクレーを撃ち25点満点で得点を競います。
国内の大会では主に100個撃ちが採用されていて1ラウンド25枚撃ちを4回行い100点満点で競われます。

トラップは左右に飛ぶクレーと真っ直ぐ飛ぶクレーの3方向からなり左右の切れ角度の最大角は45度までとなっております。国体や公式戦、オリンピックでは0度から45度まで振ったクレーを約76mの距離まで飛行するように設定します。
この仕様がいわゆる公式セットと呼ばれるもので1番から9番までの9種類のセットがあり15台ある放出機をすべて違う角度高さにセットされています。

入門者の練習や銃砲店などのコンペは公式セットでは行わず角度も30度前後で飛距離65〜70mにセットし難易度を落として行います。
2面以上ある射撃場では基本的に練習用のセットと公式セットの2つを用意しているところが多いです。

通常クレーの放出は射手の「コール」によって行われます。トラップは射座付近にあるマイクが音声を認識すると自動的にクレーが放出されます。ですから射撃が始まると誤放出が起きないように静かに待機することとなります。

コールするとクレーが放出されることが前提なのですが、まれに放出されなかったり割れて放出されたりすることがあります。これを「ノーバード」もしくは「ノーターゲット」と言います。
この場合はクレーが適正に放出されるまで撃ち直しとなります。

基本的に他の射手が射撃体勢に入ったら妨害をしないように注意しなければなりません。
ですから自分が撃ち終わったら次の射手が撃ち終るまで射座で動かず待機するのが決まりです。次の射手が撃ち終ったら次の射手の後ろまで速やかに移動しましょう。空いた射座には自分の後ろの射手が入ります。

最終的にスタートした射座から順番に移動して行き5週して25枚を撃ち1ラウンド終了となります。
1つの射台には3つの放出機が設置されていて左、右、真ん中と3方向に固定されている。3台x5射座で15台設置されている。